遥か、彼方。
SONY α1(Nauticam) 90mm Macro Z-330 f4.5 1/320秒 ISO400 静岡県・井田ビーチ 30m

入賞者からのコメント

水面は穏やか、水中は少し流れがありました。透視度は5m 程度ですが、夏で天気はよく砂地が広がる水深30m 付近もそんなに暗くはない環境でした。被写体は伊豆ではポピュラーなヒレナガネジリンボウとコトブキテッポウエビの共生シーンです。真ん中の棒は偶然落ちたガンガゼの針か何かだと思います。この状況からセンターマイクを置いて漫才をしている様子が浮かんだのと、髪の毛を吹き飛ばされているようなシーンから海原はるか・かなたさんを連想した記憶があり、作品タイトルはそこから取りました。

いわゆるマクロ装備で撮影機材に特別な工夫はないですが、砂地で撮影する際に必ず守っているのは被写体や周囲の環境をよく観察して、水流が起きないよう超スローモーションで近づき絶対にフィン着底を行わないことです。水中で撮影する際は一に環境、二に環境と唱えながらやっています。

野山昌俊
Profile

野山昌俊 Masatoshi Noyama

東京都在住の会社員。旅行が趣味で海辺のリゾートに行く中でダイビングを始め水中世界にはまる。ホームグランドは西伊豆井田。平均すると月2回程度で週末に潜っているが、生態活動が活発な夏はほぼ毎週井田に通う。水中写真歴は5年。インストラクター資格も持つが、水中写真を本格的に始めてからはイントラ活動は休止中。

審査員からのコメント

とってもかわいい写真でした。ただ色合いが可愛いというだけでなく、なかなか見られないヒレナガネジリンボウのクリーニングシーンの瞬間を収めているのも素晴らしいです。気持ちよさそうなヒレナガネジリンボウの顔がなんとも言えませんね。何度見てもほっこり癒される作品でした。ぜひまたこんな素敵な生態シーンを見せてください。(むらいさち)