入賞者からのコメント
沖縄本島北部の塩屋湾へ泥地に住んでいるハゼを撮りに行きました。泥ハゼを撮った帰りに、インストラクターさんがイカを指差しました。よく見たらカニをくわえていたので、急いで撮影しました。カニの顔がどっちを向いているのかわからなくて、いろんな角度から撮りました。たまたま遭遇したシーンでしたが、海の中の何気ないシーンを捉えることができてよかったです。
水中写真を始めてから、毎年マリンダイビング誌のフォトコンに応募していました。今年は日本水中フォトコンがあったので、ぜひ、挑戦してみたいと思い応募しました。入賞のお知らせが届いてびっくりしました。これからも、海の中の何気ない一瞬を撮影していきたいです。
Profile
齋藤愛 Ai Saito
ダイバーだった妹に誘われてライセンスを取得し、現在はダイビング歴8年。月に1回程度、沖縄本島恩納村と伊豆に出かけている。恩納村では〈沖縄ダイビングセンター〉、伊豆では〈井田ダイビングセンター〉が行きつけ。「同じ海でも時期や季節によって雰囲気や生物が違っていて楽しいです」
審査員からのコメント
ヒメイカがカニを捕食しているシーンですね。捕食の瞬間をとらえたということで、とても貴重な生態写真です。生態写真ではあるのですが、ただ珍しい場面を捉えたというだけではなく、作品としてまとめられると思いました。写真の全体的な色合いは淡くてきれいです。しかし、そこに写し込まれているのは捕食というすごく残酷な場面です。「食われる」というとても残酷な場面を残酷に見せなかったところに惹かれました。素晴らしいタイミングと狙いだったと思います。(古見きゅう)