入賞者からのコメント
セブ島の〈アクエリアス〉さんのガイドで潜ったときに撮影した写真です。ややドロップオフのようなところに死んだヤギがあり、そこに大量のホヤがついていました。1か所だけ15cmくらいのトサカが生えていて、かなりフォトジェニックな状況でした。最初はハゼに気がつかなかったのですが、向きを変えたことでハゼの存在がわかったときは、心の中でガッツポーズが飛び出しました! 初めて見た取り合わせで、いろんな要素が詰まっているのでピントの位置と絞りを変えてたくさん撮りました。最終的に生態写真をアートっぽく撮れたら最強だと思います。
以前はダイビング雑誌のフォトコンに応募して賞をいただいたりしていましたが、近年は大瀬崎以外のコンテストに応募していなかったので、在庫一掃セールの気分で応募しました。入賞は素直にうれしいです。
Profile
古菅正道 Masamichi Kosuge
水中写真歴29年のベテラン・カメラ派ダイバー。写真を撮ることで何回も潜っているポイントでも新しい発見があり、それを撮ることが目標になるため、飽きずに潜り続けられているという。ホームグラウンドはクローズになりにくく環境の幅が広い大瀬崎。「ここ20年は年間100本以上をノルマにしています」
審査員からのコメント
陸上の木が水中にあるような、なんとも言えない可愛らしさがあって惹かれる写真でした。ホヤの黄色やトサカの色もきれいですね。写真全体の箱庭的な感じと、木のミニチュアが海の中にあるような面白さに惹かれました。周りに光が当たると余計なものが写ったりするのですが、この部分だけしか見えていないので、水中の箱庭的なイメージがぽ~んと目に入ってきて強調されますね。縦位置で撮っているのも成功しています。魚も逃げずにいるから、優しくアプローチしたのでしょう。繊細な写真ですね。(高砂淳二)