入賞者からのコメント
撮影地はよく行く伊豆です。凪と言っていいほど穏やかな海で、晴れており、水面付近は非常に明るい状況でした。このため、リュウグウノツカイの姿が水面に反射して写っているのが肉眼でも見えました。それを写したいと思い、やや煽り気味に構えて水面も入れて撮りました。たまたま撮れたシーンですが、もう少し絞っても良かったか、と思っています。リュウグウノツカイの写真でよく目にするのは、背景が暗い黒抜き写真です。今回のような条件で撮れるのは珍しいと思い応募しました。ガイドさん、フォトセミナーをしてくれた写真家さん、家族、ダイビング仲間など周囲の人に感謝のひと言です。
Profile
三宅直人 Naoto Miyake
親子でダイビングを始めたが、自分だけがハマってダイビング歴は10年になる。当初はコンパクトデジカメだったが、4年前に一眼に買い換えて本格的に水中写真に取り組む。「今はミラーレス一眼への買い替え時期を迷っています」。好きな被写体はスズメダイの幼魚とハナダイ。宮城県在住の医師。
審査員からのコメント
生態的にも貴重なリュウグウノツカイを冷静に構図を決めているのがすごいですね。穏やかな水面への写り込みが美しく、今にもリュウグウノツカイの息づかいが聞こえるようです。海への夢が膨らむ、海へ誘ってくれるような気持ちにさせられます。非常に造形的に動きの瞬間を捉えていてすばらしいですね。画面の左手に空間を持たせたのも、まだまだ元気に生きていってほしいという、作者の願いが込められているようです。(中村征夫)