入賞者からのコメント
この写真を撮影したのは2021年10月、場所は御蔵島です。ダイビング先で他のゲストの方にカメラを触らせてもらったことがきっかけで水中写真を始めましたが、当時は自分のカメラを持って間もないころで、勝手もよくわからず試行錯誤しながら夢中でシャッターを切っていました。この写真はドルフィンスイムで撮影したものです。イルカたちが通り過ぎて、ひと息ついたときに撮りました。水面から光芒が入る写真を撮りたくて構図は考えていたものでしたが、うまい具合にイルカが入り込んでくれました。これは偶然です。好きな被写体は、カメラを持ちたいと思うきっかけになったクジラです。イルカやクジラとの距離感に気をつけながら、これからも撮影していきたいです。
Profile
中野駿介 Shunsuke Nakano
ダイビング経験は12年だが、水中写真は始めて2年ほど。ホームグラウンドは特に決まっていないが、神子元島と粟国島へは毎年行くという東京在住の会社員。「学生時代からフォトコンの受賞作品はよく見ていました。写真を始めて、今回は参加するチャンスだと思い初めて応募しました」
審査員からのコメント
何か圧倒的な生き物が写っている写真もいいと思うのですが、「水面下」は多くの水中写真家にとって永遠のテーマだと思います。水面から差し込んでくる光と水の青は、一番身近な入り口だけど、そこを絵にするのは難しい。この作品はその部分をうまく表現しています。水面にピントが合っているのがめちゃくちゃいいです。奥行き感があり遠くにはイルカがいます。第1回目のフォトコンということで、今後のフォトコンの発展・充実の始まりのストーリーを感じさせてくれる写真だと感じ選びました。(鍵井靖章)