入賞者からのコメント
初めて串本で潜ったときの写真です。とてつもない魚影の濃さに驚きました。360度どこを見ても魚!魚! しばらくその場面に見入ってしまいましたが、ハッと我にかえり、夢中でシャッターを切りました。どんどん形を変えていく群れが大きな魚に見えたり、一本の棒のように見えたり。一瞬一瞬、全く違う画が撮れるという中、「木に見える!」と思って撮った1枚が今回の作品です。海況はよかったのですがダイバーが多く、人物が映り込まないように苦労しました。実はマスクが顔に合っていなくて、海水がかなり入ってきていたのですが、この一瞬を逃したくないという思いで撮りました。
Profile
永井 豪 Go Nagai
東京在住の会社員。水中写真歴6年のダイブマスター。かつて仕事で潜っていた時期もあったが、離れて約10年経ったころ、レジャーとして潜ってダイビングの楽しさに目覚め水中撮影を本格的に始めたそうだ。夏は毎週のように西伊豆へ。冬は沖縄などの暖かい海に遠征している。
審査員からのコメント
もっと迫力のあるイワシの群れの写真はたくさんあるが、この写真はあえて空間を広く空けて引いて撮影することで、他にはない斬新なイメージを描いている。写真はただ寄ればいいというわけではなく、どのように引くかで個性的な絵作りになります。アイデア勝ちとも言える作品ではないだろうか。(中村卓哉)