入賞者からのコメント
クジラの半水面はチャンスがあれば撮りたかったので、狙っていました。この日は海は比較的穏やかで波の少ない日でした。逆立ちした状態で止まっている若いクジラがゆっくりと尾ビレから浮上してきました。数回同じ動きをしていたので、半水面を狙いました。ホエールスイムのためストロボなどの発光機材はなし。半水面はクジラと波のタイミングが重要になるのでそれをうまく合わせるのに苦労しました。ダイビングガイドとしてはずっとカメラを触っていますが、アマチュアのカメラマンとして撮影した写真をより多くの方に見てもらえたらうれしいなと思い応募しました。
Profile
河田啓奨 Keisuke Kawata
那覇市在住のダイビングインストラクターで、〈DIVE JOURNEY〉代表。初めは趣味で潜っていたが、その後仕事になった。水中写真歴は7年、週に5日以上、カメラを持って海に入っている。いわゆる大物や魚影が好きなので、慶良間諸島、粟国島などワイドな海に行くことが多い。
審査員からのコメント
ザトウクジラという荘厳な被写体をとらえながら、彼らと水中で出会うことのワクワク感や楽しさを素直に感じさせてくれるのがこの作品の魅力でしょう。いい意味でポップで、非現実的で、夢があります。この一瞬のチャンスをものにするには、撮影技術だけでなく、海での総合力が必要だったはずです。(上出俊作)