入賞者からのコメント
水草が点在する砂地エリアで、太陽光もほどほどに入っていました。馴染みのポイントながら、秋にまさかの幼魚との遭遇に小さな天使が舞い降りてくれたような印象を受けました。キュートさに撮影を忘れるほどで、キョトンとした佇まいに終始癒されました。独特の愛くるしい表情と、小さなヒレで葉っぱを摑みバランスを取ろうとする健気さを絵本の1ページのように表現したいと考え、アングルは正面から。ライトをメインにストロボでやさしくフォローしふんわりと仕上げました。この種の幼魚はのっぺりとした体表のため、絞りを開放しすぎると立体感が出にくくなる点に気をつけています。
Profile
西原憲一 Kenichi Nishihara
大阪在住の税理士。水中写真歴7年、インストラクターの資格も持つ。ダイビングをしない人や子どもにも楽しんでもらいたいと、マクロ撮影では“オモカワイい” 作風を意識している。ホームグラウンドは沖縄本島の名護湾。マクロ系の生態が豊富で撮れ高を得やすいのが魅力。
審査員からのコメント
カエルアンコウが今にも話し出しそうで、素直にかわいいです。被写体の真正面に入って、目線の高さを合わせてカメラを構えることで、臨場感が演出されています。見た人は、カエルアンコウと見つめ合っている気分になることでしょう。すべての要素に透明感が感じられるのも気持ちいいですね。(上出俊作)