
入賞者からのコメント
ミジンベニハゼのハッチアウトはチャンスがあれば撮影したいシーンです。真横から撮ったことはあったのですが、正面や斜め前から撮ることで、躍動感を引き出せないかと思っていました。また、口の中に仔魚がいる瞬間を撮りたいとは思っていたのですが、まさかそのタイミングでシャッターが切れているとは思っておらず、プレビューを見たときとてもうれしかったです。普段からライティングに関心を持ち試行錯誤しながら撮影しているのですが、ミジンベニハゼを引き立てるライティングがうまくいったと思います。ミジンベニハゼの全身がくっきり映るように被写界深度にも気をつけました。ハッチアウトは何度見ても胸が熱くなります。

Profile
齋藤有弘 Arihiro Saito
水中写真歴は7年。この3年は鹿児島本土でよく潜っている。素晴らしい海とガイドがいること、年間通して潜ることで季節のうつろいを楽しめるのがその理由。「今は水陸問わず写真を撮るのが趣味となり、水中写真では生き物たちのいきいきした姿や表情、素晴らしい景観を撮ることが喜びです」大阪府在住の会社員。
審査員からのコメント
放出される仔魚と大きく開いた親の口元を絶好のタイミングでシャッターを押されているところに、作者の観察眼のすごさを感じます。トップライトに近いライティングがまた素晴らしく、陰影により際立たせたいものが明確に表現されています。もう少しピントがシャープであれば、より上位にあがった作品でないかと思います。(尾﨑たまき)