SONY α7S III nautilus 16-35㎜ 自然光 f7.1 1/160秒 ISO160 伊豆大島 2m

入賞者からのコメント

伊豆大島のサーディンランは5年間追いかけています。この年はイワシの規模が小さく、離岸も早くなっていました。離岸すると海が濁り、数日は姿を現しません。そして次に来るイワシは小さくなります。そのため、なかなかいい写真が撮れません。そんなとき、サメが多い浅瀬のポイントで規模は小さいながらイワシを見つけ、カメラとフィンを手に崖を下り高波の中飛び込みました。

そこには私を睨みつけ周回するサメ、クロマグロ、イワシがいました。たいてい、若いサメが人間をチェックしに来ます。食べられる物を持っていないとわかれば人間に興味を示さなくなりますが、サメに追われている間にイワシは移動。ロストしてしまうのですが、このときは軽いボディチェックで済んだため、2時間くらい観察できました。波も高く、潮も速いため寄り切ることができなかったのが反省点です。

Profile

島田大地 Daichi Shimada

幼い頃から海に潜ることがライフワーク。自分の見ている世界を共有したいという思いからカメラを購入する。月に2 ~ 3回、伊豆大島・三浦半島の海に通う。長い期間同じ場所で潜ることで環境の変化や季節の変化を感じられるという。神奈川県在住、自営業。水中写真歴6年。

審査員からのコメント

作者は撮られる前からこの光景をイメージされていたのでしょう。斜光が入る時間、群れの広がり、サメの数など、すべてが計算された構図です。モノクロに現像されたことも、光と影を表現するのにとても効果的でした。伊豆大島で、このようなシーンがこの先もずっと続くかどうかはわかりませんが、後世に伝えたい光景ですね。(峯水亮)