SONY α7RⅡ プルーフ 60 ㎜ Macro Z-240 f25 1/250秒 ISO1000 小笠原 父島 2m

入賞者からのコメント

ウミウシを撮っていて真上をクジラが通ったのに気がつかず落胆しているときに、表層にクジラウオ科のこの魚「通称リボンフィッシュ」が現れました。狙って出会える魚ではありません。おそらく、今後出会うことはないであろう魚です。ストロボの強さに気をつけて、できるだけ面でピントがくるように夢中で撮りました。相当な枚数を撮影した後、逃げ回るのに疲れたのか、特徴的なシッポのリボンが丸くなり、とても印象的に見えたときにシャッターを切ったのがこの1枚です。印象的なシッポの先のリボンが美しく撮れたところが気に入っています。最近は表層を漂う生き物を狙うのが楽しい。この魚のような一期一会の出会いがうれしいです。

Profile

今井寛治 Kanji Imai

水中写真歴39年という超ベテラン。子供のころにTVドラマ「わんぱくフリッパー」を見てダイビングに憧れ、大人になったらやろうと決意していた。始めたころからなんとなくニコノスを手にしていたという。「もっと見たい、もっと出会いたい」そんな好奇心を原動力に、今も年間45 〜60日は海へ出かけている。岐阜県在住、自営業。

審査員からのコメント

水中写真の新しいジャンルとも言える浮遊系生物写真。海外でも物凄い勢いで作品が発表されている。見たことのない生物、深海魚、幼魚、幼生、プランクトン、etc…。10年後、浮遊系水中写真はどれほどの位置を占めているのだろうか。クジラウオ科リボンイワシの稚魚。こんな恐竜クラスの生物と出会える場所が日本にはあるのだ。(中村宏治)