
入賞者からのコメント
メキシコのラベンターナという地域でスノーケリングで撮影しました。なかなか撮りたい絵が撮れていない中、大海原で1頭のオスのアシカを見つけました。ある一定のリズムで息継ぎをしているアシカでした。1頭だけのオスでしたから、あまり良い絵がイメージできませんでしたが、ひたすら一定のリズムで息継ぎをしているので入水したところ、なんときれいな赤いタイを追いかけて捕食していました。
一定のリズムでぐるぐる追いかけながら、少しずつ距離をつめていき、最後は食べます。ときおり、私を威嚇しながらも、1匹また1匹と捕食していました。捕食の瞬間を撮影したいができるだけ邪魔しないように、でもおいていかれないように必死で泳ぎました。 真っ赤なタイがきれいに逃げている姿と、それをしっかり目線で捉えているアシカがぴったり構図におさまった点が気に入っていますが、追っている間に何匹も食べられてしまったので、タイがもっと多いときに撮れたらさらにきれいな絵になっていたかなと思います。

Profile
大原信人 Nobuto Ohara
趣味を増やすために始めたダイビングのアドベンチャー感に魅了され、見た景色を記録に残すため水中写真を始める。水中写真歴は7年、年間400本~ 600本のペースで水中撮影に行っている。好きな被写体はマンタ。石垣島のヨナラ水道、野原曽根がホームグラウンド。コロナ期間中、ずっとマンタの撮影をしていたという。東京都在住。自営業。
審査員からのコメント
水中で魚(フエダイの一種・Northern Red Snapperと思われる)の群れを手前に置き、天敵であるアシカ(California Sea Lionのオス)と挟み撃ちで撮影するのは簡単な技ではない。狙いを持って撮影したのであれば、すごい技術だ。たまたま撮れてしまったと言うのなら、ビギナーズラック……かな。超ワイドとマクロ作品が多いフォトコン応募作品の中で、目を引いたミドルレンジワイドの画像が爽やかだった。コルテス湾の水の色も良いね。(中村宏治)