
入賞者からのコメント
ニシキフウライウオのペアがしばらく居ついているポイントがあって、抱卵やハッチアウトのシーンが見たくて行ける日は毎日のように確認していました。1週間ほど行くことができなくて、不安に思いながら潜ると案の定ペアはいなくなっていました。ショックで残念に思いながら船の方へ戻って安全停止をしていたとき、突然目の前にアミモンガラを狙うオキザヨリが現れました。
オキザヨリはよく見かけますが、捕食シーンは見たことがありませんでした。珍しいと思いゆっくり近づき撮影しました。ストロボは邪魔になると思い、すぐに船に戻って外してカメラのみで撮影しました。水面のコンディションが悪かったので撮影は難しかったのですが、できる限りシャッタースピードを上げてなんとか撮影できました。
捕食した瞬間を撮影できたことが一番うれしかったです。この日はマクロレンズしか持っていなかったので、広角で半水面撮影できたら面白かったかなとも思います。

Profile
朝倉空良 Sora Asakura
学生時代から写真や動画撮影好き。ダイビングを始めてからは水中でしか出会えない光景を撮影できることが楽しい。現在は沖縄〈シーサー阿嘉島〉ガイド。水中写真歴は3年。ホームの阿嘉島で週に1 〜 2日のペースで撮影をしている。「ありのままの自然の風景を撮るのが好きなので、日本の四季折々の水中シーンを撮影して回ってみたいです」
審査員からのコメント
貴重な瞬間に遭遇されましたね。揺れる水面で撮るのは大変だったと思いますが、見事に捉えています。ミジュンなどの光物を捕食することが多いオキザヨリの新たな一面を知らされた気がします。引いて全体を捉えたカットを応募されていました。そちらも水面の荒れた状況が伝わりとてもよかったですが、捕食という意味では、この寄りのカットの方が相対する者同士の眼と眼が物語る作品としての強さがありました。アミモン幼魚も食べられまいと鰭の棘で必死に耐えていますが、この後どうなったのでしょうね。その後が気になりました。(峯水亮)