
入賞者からのコメント
マッコウクジラが寝ているところが見たいと船長にリクエストしていたのですが、「Lucky(運次第)」と言われていました。この日は凪でした。マッコウクジラとスイムしていると、船長から別の場所に寝ているクジラがいるかもしれないと言われて船に一度戻り、場所を変えて再度エントリー。近付いていくとクジラたちが海藻をくわえたり放したりして遊んでいました。1分1秒でも長くこのシーンを見ていたいと思い水面で動かず撮影しました。ときどき海藻の塊が水面に浮いているのを見かける海域でしたが、マッコウクジラがイルカのように海藻で遊ぶということを知らなかったので、偶然このシーンに出会い感動しました。

Profile
秋本哲志 Tetsuji Akimoto
小笠原でイルカと泳ぐうちに見たままの姿を記録に残したいと水中写真を始める。撮影は三点セットでカメラを持つ素潜りスタイル。水中写真歴は15年になる。今は自然のままの姿で生活するイルカを観察できる御蔵島に通っている。御蔵島では機嫌がいいときにはイルカが目と目を合わせて一緒に泳いでくれるそうだ。東京都在住の会社員。
審査員からのコメント
こんなにも大きな生き物が2頭で、海藻をくわえながら無邪気に遊んでいるなんて、写真を見ているだけでこちらまで楽しくなってきます。マッコウクジラ特有の大きな頭を振り回しながら、頭の下にある小さな口でちょっと不器用そうに遊ぶその姿が、何とも微笑ましいです。それにしても、貴重な瞬間に出会いましたね。(高砂淳二)