Canon EOS R5 Nauticam 35㎜ Macro Z-330 RGBlue S02RE-SNC f16 1/200秒 ISO200 フロリダ Off the coast of Palm Beach County 8m

入賞者からのコメント

2024年5月に、アメリカ・フロリダ州のパームビーチ郡の沿岸の沖合でBlackwater Diveを行ったときに撮影した深海魚のシダアンコウ(Whipnose angler -Gigantactis vanhoeffeni)のメスの仔魚の写真です。沿岸から5 ~ 8km、水深150 ~ 200mの海域まで移動しエントリー。水深15m以浅を保ちながら、海流に身を任せる日本ではあまりなじみのないダイビングスタイルです。エントリー後、5分もたたずにこの被写体が現れました。アンコウ目の仔魚は浮力を得るためにこのような水まんじゅうのような姿をしていることが多く、Blackwater Dive愛好者にとってアイドルのような存在です。胸鰭が左右とも開いていて、かつ思い切り口を開けた瞬間の姿を撮影できたことで、大きな達成感を感じています。

Profile

佐藤洋一 Yoichi Sato

水中写真歴10年。海への憧れから19年前にダイビングをスタート。DIVE MASTERを取得して世界の海を潜り歩く。マクロに目覚めて本格的に水中撮影の道へ。スヌート、カラーフィルターなどに挑戦。浮遊系を始めたことで生物全体に興味が広がった。今後もメインで追求したいのは浮遊系と生態撮影だそうだ。栃木県在住。

審査員からのコメント

わずか1cmほどの小さな稚魚なのに、口の中にはびっしりと鋭い歯が並んでいて、すでに成魚の様相が伝わってきますね。シダアンコウ科の稚魚は左右の胸鰭を交互にパタパタとかなり早く動かしながら泳いでいますが、口を開けた瞬間と、左右の胸鰭が同じ向きに揃った瞬間を見事に捉えています。(峯水亮)