入賞者からのコメント
バリ島トランバンの砂地には刺胞動物であるウミヒドラがたくさん咲いていて、じっくり観察しているとアミなどが捕食されています。そんな環境なのにあえて共生しているヨコエビの仲間がいることが興味深く、時間が経つのも忘れて撮影に興じました。美しい姿とは裏腹に危険なウミヒドラと、そんな環境で力強く生きる小さなヨコエビが引き立つようなアングルやライティングを試みました。複数のライトをセットしても、ウミヒドラは動くしヨコエビも動き回るので、撮影には時間がかかりました。
Profile
加藤幸男 Yukio Kato
水中写真歴22年。ダイビングを始めてすぐに水中カメラを手にして、今は水中生物を撮影するための手段として潜っている。 夏は沖縄やインドネシアへ、秋から春先は月に1回ペースでアニラオに通っている。「アニラオは生物が多様でじっくり撮影に向き合えます」
審査員からのコメント
ライティングがうまいですね。手前から光を当てがちですが、触手が目立って立体感に欠けて何が主役かわからなくなります。意図的に光を当てる角度を工夫されているのでしょう。カメラの位置もいいしライティングも凝っていて海の神秘が感じられます。(高砂淳二)