「日本一の水中フォトコンテストを目指します」
 -大村謙二(実行委員長)

2022年、アマチュア水中写真家を対象にした水中フォトコンテストが新たに始まりました。実行委員会を発足させてコンテストの主催に踏み切った理由・抱負を大村謙二実行委員長が語ります。

フォト派ダイバーみんなが目指したダイビング誌主催のフォトコンがなくなってしまった

私が水中写真にハマったのは学生時代。「関東学生潜水連盟(通称ガクレン)」のフォトコンテストで金賞をいただいてからです。第三者に自分の写真を認めてもらえたことはとてもうれしい経験でした。社会人になってからは、勤務先や自分自身がフォトコンに協賛をする立場であったため、応募する機会はありませんでしたが、友人やお客様が必死になって、ダイビング雑誌等が主催するフォトコンテストに応募し、凌ぎを削る姿を応援しながら楽しく拝見してきました。

1980~1990年台には、雑誌やカメラメーカーなどが主催するフォトコンの上位入賞をきっかけにプロを志す方も少なくありませんでした。

中でも、ダイビング雑誌3誌が毎年主催していた水中フォトコンテストは影響力が大きく、入賞、上位入賞、そしてグランプリを目指すアマチュアフォト派ダイバーの皆さんのダイビングライフの指針になっていたと思います。

「日本を代表する水中フォトコンテストを作ろう!」

デジタル全盛の今、紙媒体である雑誌が苦境に喘ぎ、廃刊、倒産、休刊が続き、雑誌社主催フォトコンテストも廃止や中止が相次ぎ、昨年、かつてフォト派ダイバーの皆さんが目標としていた雑誌主催のフォトコンテストがとうとうひとつもなくなってしまいました。

そんな現状を残念に思っていた矢先、友人でもあるRGBlueの久野義憲さんと意気投合し、新たな「日本を代表する水中フォトコンテストを作ろう!」ということになりました。

「日本水中フォトコンテスト」開催の企画は、幸いにも、多くの水中写真家の方々、ダイビング業界関係者の皆さまに賛同いただくことができました。写真家の中村征夫さん、高砂淳二さんをはじめ、6名の写真家の方々が快く審査員を引き受けてくださり、実行委員会という形式でフォトコンテストの開催にこぎつけることができました。

すべての方に喜んでいただけるよう賞金を用意しました。

開催にあたって、応募規定や副賞、表彰式をどのように開催するかなど、実行委員会のメンバーで検討を重ねました。

賞については、ジャンル分けはせずにシンプルにしようと比較的スムーズに決まりましたが、副賞の決定には紆余曲折がありました。

当初、過去の雑誌主催のフォトコンテストと同様に、我々機材メーカーの製品や、ダイビング業界各社にお声がけしてさまざまな副賞をご用意することも考えましたが、機材には好みもありますし、提供側と受賞側のニーズが一致しないことも少なくありません。
このコンテストは「日本を代表する水中フォトコンテスト」を目指しているのですから、メーカー色が出過ぎることも避けるべきだという意見もありました。そこで、副賞は誰もがもらってうれしい「賞金」とすることにしました。

加えて、オリジナルデザインのトロフィーや、受賞者だけがもらえる限定の記念品を用意させていただく予定です。

ジャンルはシンプルに、副賞は明快に! もらってうれしいと思えるものにしようと決めました。

トロフィーや記念品については、改めて授賞式までに製作過程も含めて少しずつ公開していきたいと思っていますので、楽しみにしていてください。

グランプリ受賞者は殿堂入りとなります

今回、グランプリ受賞者には副賞として50万円の賞金を用意しています。さらに、初代グランプリ受賞者として次回2024年のフォトコンテスト表彰式典にご招待。プレゼンターとして作品を発表いただきたいと考えています。

グランプリ受賞者は殿堂入り。翌年以降の応募はお控えいただき、多くの皆様に栄冠のチャンスが得られるようエールを送っていただきたいと思います。

「日本水中フォトコンテスト」は真剣勝負の場です

「日本水中フォトコンテスト」では、応募者の皆さんから、応募費用をいただくこととしました。

無料にするべきか我々も悩みました。より多くの方に気軽に応募いただくためには、無料のほうがいいに決まっています。

しかし、日本を代表するフォトコンテストにするためには、思いを込めた作品を真剣に選んで応募いただきたい。もちろん、審査いただく写真家の皆さんにも時間をかけて作品を審査いただきます。是非、我々の本気度を汲み取っていただき、1点でも多くの自信作を応募ください。

現地ガイドの皆さまもぜひご応募ください

私どもの「日本水中フォトコンテスト」は応募資格をアマチュアに限らせていただいています。水中写真を生業にされておられる方はもちろん、自費出版以外の写真集や図鑑などを発売された実績のある方も対象外となります。

ただ、ダイビングインストラクターや現地ガイドの皆さんのようにダイビングのプロでも写真のプロではない方はアマチュアと判断。水中写真や撮影の対価として収入を得ておられる方でない限り、応募はいただけます。皆様からの自信作もお待ちしています!

発表は4月8日、受賞作品集制作も予定しています

表彰式は、4月8日(土曜日)、東京・池袋のマリンダイビングフェア会場内の特設ステージで18時より開催予定です。

受賞作品は表彰式で披露。合わせて作品集を制作します。

Web上で発表する方法もありますが、やはり美しい写真は手にとって「残る」カタチで発表させていただきたい…。そんな我々の思いから、第1回目の受賞作品は、印刷物として残し広くダイバーや、多くの皆さんにご覧いただけるものにする予定です。

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水中撮影機材を取り扱うメーカーとして、そして水中写真大好きなダイバーの1人として、日本を代表する水中フォトコンテストをさらに魅力的で皆さんの目標としていただけるチャレンジの場として、育ててまいりたいと思います。

水中写真大好きな皆さん! 是非ふるってご参加、ご応募くださいますよう、よろしくお願いいたします。

大村謙二(おおむら・けんじ)

大学時代にスキューバダイビングクラブ「海洋調査研究会」でダイビングに出会う。ダイビング誌「スキンダイバージャパン」編集部でパシリと編集アルバイトを努めつつ水中カメラマンを目指す。大学卒業後、中堅不動産ディベロッパーに就職するも、1年で転職。水中カメラ専門店「銀座タートル」でショップマネージャーを努めつつ、ハウジングの輸出入を担当。同社退社後に、ダイビング誌・カメラ誌ライター、ダイビングインストラクター、海洋ジャーナリストの丁稚、ヨドバシカメラ店員などを兼務しつつ、1995年4月に水中撮影機材商社「フィッシュアイ」を創業。2021年9月、シーアンドシー社の買収に伴い、同社代表取締役 兼任。広島県呉市出身。1966年7月生まれ。