高砂淳二

作者の感動や伝えたいことが作品にしっかり乗っているかがどうかが大事

高砂淳二さん(Junji Takasago)/自然写真家

フォトコン審査で心がけていること

既存の概念にこだわらず、あくまで作品を拝見したときの、僕の心が動く度合いを物差しに審査をしています。つまり、審査員の心を動かすほどの、作者の感動や伝えたいことが作品にしっかり乗っているかどうかが大事になります。

審査で重視するのは?

作者のオリジナリティーはとても大事です。既視感がある作品、真似などは、なかなか通りにくいでしょう。審査員が複数いますので、それぞれの審査員の好みや個性などから、生態を重視する方、アート性を重視する方などさまざまです。しかしどの方向性であっても、審査員の心を動かすオリジナリティーが重要になります。

フォトコンの楽しさ

40年ほど前、ダイビング雑誌『DIVING WORLD』のフォトコンに出して入賞したことがあります。今から思うととても稚拙な作品でしたが、その受賞が自信となって、今に繋がっていった気がします。ほかの人が見てくれたり、誉めてくれたり、アドバイスをしてくれることが絶対プラスになりますよ。

セレクトに迷ったら

身近にプロ、もしくはハイアマチュアの人がいたら、その人にアドバイスをもらうのもいいでしょう。そのような人がいなければ、「自分はこの作品で何が伝わればいいと思ってるのか」ということを考えて、その方向性に一番プラスに働くものを選ぶ、というのがいいかもしれません。もちろん絵的に秀でている、という点も考慮してください。同じような作品を選びきれずに何枚も出すのは、審査員の印象を悪くする可能性があるので避けたほうがいいと思います。

作品作りのアドバイス

ライティング(ストロボの当てる角度)もよく考えて作品作りをしてください。立体感、ドラマチックな感じなどがかなり違ってきます。ユニークな作品、楽しみにしています!

高砂淳二 プロフィール
宮城県石巻市生まれ。熱帯から極地まで世界中の国々を訪れ、海中、生き物、虹、風景、星空など、地球全体をフィールドに、自然の繋がり、水や生命の循環、人と自然の関わり合いなどをテーマに撮影活動を行っている。著書は、『この惑星(ほし)の声を聴く』『Dear Earth』ほか多数。TBS「情熱大陸」、日本テレビ「未来シアター」をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌等のメディアや講演会などで、自然の大切さ、自然と人間の関係性、人間の地球上での役割などを幅広く伝え続けている。海の環境NPO「OWS」理事。みやぎ絆大使。2022年、ロンドン自然史博物館主催の「WILDLIFE PHOTOGRAPHER OF THE YEAR」のNATURAL ARTISTRY(自然芸術部門)で最優秀賞を受賞。
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