完全無欠な写真より、心の叫びが感じ取れる写真を見たい
中村宏治さん(Koji Nakamura)/水中写真家
フォトコン審査で心がけていること
写真デジタル編集技術が発達し、画面構成を実際に存在し得ない物に作り上げた写真を見かけるようになりました。
他の審査員とともに、そうした過剰演出の画像に対する倫理観を話し合い、一定の基準を作り上げたいと思っています。
審査では、撮影者の存在が画面の中で感じ取れるかどうかに興味があります。
応募作品に期待すること
近年の水中フォトコンを見ていると、ひと昔前にプロフェショナルな我々が大きな予算を使って撮影したテーマを、勇猛果敢にチャレンジし、素晴らしい作品を撮影している人たちを見かけます。撮影機材の発達によることもありますが、その勇気と努力に拍手を送りたい。
今までの水中フォトコンで見かけなかったような写真を見たい。他人の真似をしない、オリジナリティを大切にした写真を見たい。完全無欠な写真より、心の叫びが感じ取れる写真を見たいです。
中村宏治 プロフィール
東京生まれ。学生時代にスクーバダイビングを始め、水中撮影と海洋生物の権威、益田一氏に師事。伊豆海洋公園をベースに海を学ぶ。29歳でフリーランスカメラマンとなり、日本水中映像(株)を設立。雑誌、書籍、映画、テレビ、CM、大型展示映像等、あらゆる分野の水中映像で、多くの作品を手がける。
2013年には英国自然史博物館の要請でWildlife Photographer of the Yearの審査員をつとめた。著書も多数。現在、日本水中映像株式会社 代表取締役会長として活躍中。
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