鍵井靖章

「フォトコンには、水中写真を楽しむ“大きな刺激”がきっとあります」

鍵井靖章さん(YASUAKI KAGII)/水中写真家

ネイチャー系のフォトコンの審査する機会がありますが、水中写真がなかなか出てこなくて残念な思いをしています。今回、第一線で活躍する水中写真家が審査員なので、皆さんの水中写真に対する思いを存分にぶつけていただきたいと思います。もちろん審査員同士で好みや意見の違いはあるかもしれませんが、こうしたメンバーが揃うことはなかなかありません。僕たちの懐に飛び込んできてもらえたら嬉しいです。

審査員の好みはばらばらでも、圧倒的にグランプリの顔を持っている写真というのがあるんですよ。すべての写真を一堂に会して見たときにみんなが納得するグランプリというのは最初にわかります。審査員一同を「これだね!」「これですね!」と唸らせるような作品との出会いも密かに期待します。

かつての僕もそうでしたが、1980年代・90'年代、フォトコンで評価され、賞を取ることはプロの水中写真家になれる道でもありました。時代は変わって今はSNSで自分の作品を発表できて、その場で評価をもらえることが確立されています。

SNSで多くの人に作品を評価してもらえることも楽しみの1つだと思いますが、フォトコンはそれとは別なものです。SNSの「日常的な楽しさ」とは違う、水中写真を楽しむ「大きな刺激」がきっとあると思うので、ぜひ参加していただきたいです。

鍵井靖章 プロフィール
大学在学中に水中写真家・伊藤勝敏氏に師事し、水中写真を始める。1993年よりオーストラリア、伊豆、モルディブに拠点を移し、水中撮影に励む。1998年に帰国、フリーランスフォトグラファーとして独立。自然のリズムに寄り添い、生きものにできるだけストレスを与えないような撮影を心がける。3.11以降、岩手県・宮城県の海を定期的に記録している。著書多数。
第15回アニマ賞(1998)、日本写真協会新人賞(2003)、日経ナショナルジオグラフィック写真賞優秀賞(2013、2015)受賞。
「情熱大陸」「クレイジージャーニー」「探偵ナイトスクープ」「関ジャニ∞クロニクルF」などにも出演。
1971年兵庫県生まれ、神奈川県鎌倉市在住。